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工事がはじまりました。町中でよく目にする工事現場ですが、なかなか中で何をやっているのか分からないのが普通 だと思います。いまでも建築は人の手によってつくられ、どんなに小さな住宅でも数十人の職人、工務店、設計者、建主、役所の人達が関わり造られていきます。そんなよく分からない現場を順に見ていこうと思います。
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写真は敷地に仮囲いを設置したところです。建築現場は危険なので周囲への安全を確保します。また、近隣への挨拶も工務店からすることになります。
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最初の工事はやり方です。建物の位 置を実際の土地に印をつけていきます。ここでは隣の家との関係や道路との距離や地面 の高さ等を設計図と実際を比較し、適合しているかをチェックします。
また、隣地の塀などのヒビや割れなどの状況を確認。写 真に撮り、この工事で入ったものでないことを保存しておきます。後々、問題が起きた時、今後数十年住み続ける建主はいやですからね。
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地盤改良には種類がありますが、この建物の場合は4.5mの杭状の改良を30か所行います。
高さ6mのオーガー(土を削るドリルみたいなもの)をゆっくり地面 に挿入していきます。オーガーヘッドは熊手が2つ付いているような形をしており、先端からセメントミルクを噴射しながら土とセメントミルクをまぜ、柱状のコンクリートの柱を土の中に造っていきます。比較的大きな音の出る工事なのですので、近隣への周知が必要です。
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ユンボー(ショベルカー)を職人さんが器用にあやつり、決められたレベルまで堀進みます。この一帯は区画整理の時に浅い部分を平面 状に地盤改良したようです。表土を取り除くと固いセメントを含む地盤が出てきました。スラブ下はこの固い地盤に乗るかたちになります。このあと設備配管について打ち合わせ、計量 メーターの位置や配管のルート、便器の位置について詳細に決めました。この作業は、設計図を元に施工業者が施工図を書きます。その位 置やルートに問題がないかをお互いにチェックすることでより、間違いのない建物にしていきます。
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土に関する作業から、屋根がつくまでは天候に左右される工事が続きます。梅雨時期は余裕のある作業日程が必要。床付は、所定の深さまで掘り進めることで、その部分に割栗石(砕石)を敷き詰め填圧すします。地盤改良の杭状のコンクリートが出てくるので、その位置に基礎やスラブに掛かる重さを載せます。
何と言っても基礎が大切です。
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ステコンの打設。このコンクリートは構造体ではなく、基準となる墨(線)を床に書く為の原寸設計図の紙のような役割をはたします。図面に書かれた線を実際の土地の中で間違いのないように作る為に必要な行程です。写真の低いところは地中梁のある部分。少し台形に高くなっている部分はコンクリートスラブが載るところです。
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次の作業は、1階の床に地下からの熱を伝えないようにする断熱材を敷き、その上にコンクリートの中に打込まれる鉄筋を配筋します。
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コンクリートの建物の場合この時期にコンセントの位 置やスイッチ類の高さなどを決めていきます。実際使う人に直接影響あるものなので、自分が掃除するときはどこが使いやすいか、料理するときにコンセントはどこにあったらいいか?テレビや電話はどこで見るか?いろいろ考えます。重要なのは掃除の時使う為のコンセントと電気機器を把握すること。
後々予想以上に機器が増え、少し足りないとの指摘を受けないように、最新家電も理解しておかなければなりません。
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配筋検査は、図面通り正しく鉄筋が配置されているかを検査します。通常の鉄筋コンクリートは、その名の通り、鉄筋とコンクリートで構成されています。鉄筋は引っ張られるのは強いのですが、圧縮されるとすぐに変型してしまいます。逆にコンクリートは圧縮には強いのですが、引っ張られると割れてしまいます。その2つの材料がお互いを補い地震に強い建物になるのです。コンクリートは完成してからでも見えることがあるのですが、鉄筋は全く見えなくなります。だからこの検査は重要なのです。
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8:30からコンクリートの打設開始。鉄筋、型枠、設備のスリーブ(穴)に問題がないか、床のコンセントボックスの位 置は大丈夫か?など、最後のチェックをします。この建物はコンクリート打ち放しなので、この時点で電話の位 置やテレビジャックの位置を決めなくてはならなく、このあたらりが、コンクリート造の大変なところでしょうか。壁も打放し仕上なので、型枠の位置を正確に決めなくてはなりません。この地区は大型車進入禁止区域らしくトラックアジテーター(ミキサー車)1台当たり2.5m3しか打つ事ができず意外と時間のかかる作業でした。
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壁を作るのに型枠を建て、すぐさま鉄筋を組みます。型枠の間違いがあれば、その場で修正をします。現場任せにすると小さな間違いも後々取り返せないこともありますので、設計者の目で見ることが大切。
規模にもよりますが、1カ月~3週間で1層作ることができます。
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引き続き鉄筋の組立てです。なまし鉄線を使い組上げていきます。型枠と鉄筋は必要な寸法(かぶり)を開けなければなりません。その隙間を確保するのが左の写 真のドーナッツとよばれるスペーサーです。壁に使われるスペーサーにはプラスチック製のモノが多いのですが、他にコンクリート製のものや金属製のものもあります。鉄筋のかぶりが少ないと、10年後、20年後に泣くことになります。爆裂という現象で、修繕費用が大幅に掛かるのです。今安いからといって信用できない工務店とは仕事をしてはいけないと考えています。
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天井をなるべく高くしたいという要望から、コンクリートの床(スラブ)を打ち放しとしてそのまま仕上げに使います。新品の塗装型枠を使い、きれいに掃除してからコンクリートを流し込むと、美しいコンクリートの天井ができます。モノが落ちていたり、現場が汚いと、仕上がりの天井にゴミが一生残ってしまうので、厳重な現場監理が必要です。壁の中から出てきているのは電気の配管。後々木造と違い壁の中を線を通すことができないので、あらかじめルートを作っておきます。最近の家電、通信の環境変化は大きいので、ある程度最新の情報を集めておく必要があります。
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型枠、鉄筋、配管、また型枠でふさいで、コンクリート打設。この繰り返しをすることで、作られています。周囲に音や埃がでないように足場をシートで囲いますので、中で何が行われているかわからないのですが、近隣への配慮なんです。
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打ち放し型枠で作られた天井です。壁も打ち放しコンクリートなので、内装工事はほとんどありません。この部分はコンクリートの床で、右手に建具、左手に収納になります。
きれいに打てたコンクリートは磨いた石のように顔が映るほど。コンクリートを打設する際にも設計事務所の現場監理者が、壁を細かく叩き、目地のずれ(型枠と型枠のずれ)を修正します。また、コンクリートが密に入っているかを叩いて確認します。これが本当に大変で、重要。コンクリートまみれになりながら、自分の子供が健康に美しくなることを願い叩きます。
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型枠やサポート(支柱)を外すと空間が分かるようになります。不思議なことですが、この段階が以外と狭く感じます。壁や天井の内装を作り込むと、実際の部屋の大きさは小さくなりますが、逆に広く感じるのです。
歩きながら、窓から見える風景、家具のレイアウト、内装の仕上げの雰囲気、照明の位置、あれこれ考えます。仕上がりを想定して、工事で間違えそうなところを指摘したり、もし空間の変更があれば、この時期が最後になります。
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最初に天井を仕上げます。天井は杉の無垢板。手がつかない部分なので、無塗装で安価に仕上げています。また、無塗装品は時間とともに色が変化しついくのもいい感じです。
それにしても現場がきれいな工務店です。ここまできれいだと、監理もしやすく、施主も中に入って案内できます。きっとものの監理もしっかりしていて、無駄のない現場になるでしょう。
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天井の内装工事が落ち着くと、住宅設備が入り始めます。風呂から入り、その配管などを施工します。配管が終わると、床、壁の下地です。そしてキッチン。キッチンは人それぞれ今まで慣れてきたキッチンが違うので、あまり押しつけしないようにしています。それでも高さや食洗機、ガスコンベック、IHかガスか?など今時のキッチンの概要は伝えます。そして、実際ショールームにて触ってもらうようにしています。
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この建物のこだわりは床暖房にあります。床に無垢の杉板を使うとき、あまり高温になる床暖房では反ったり、割れたりします。含水率のいい材料を選んでも、床暖房が悪いと、すぐに悪くなるのです。そこで、温水床暖房で、再高温を制御して、かつ再利用可能な銅の温水システムを入れました。室全体に柔らかい温かさが広がります。
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外装工事が完了しました。コンクリートの外側に、断熱材とガルバリュウムの板をはり、コンクリートをくるみます。1階はオフィスと駐車場なので、コンクリートのまま。重点的に室内環境を守りたい部分と、そうでない部分のメリハリをつけました。足場が外れるといよいよだな~と思います。ここから先の工事は実際に手を触れる部分になるので、手を抜けません。職人さんもわざとではなくても間違えることもあります。その部分をなくす為に、事前に打ち合わせをし、こちらの考えを伝え、それをチェックする。その繰り返しですが、職人よりも2、3歩先を進んでいないと現場がおかしくなります。
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周囲の黒い外壁と対照的に、内部は漆喰で仕上げます。この漆喰お金がなかったので、私と、友人の2人で仕上げました。
1週間で2階はほぼ塗り終えましたが、まだまだ天井際や枠周りの補修が残っています。細かい補修の方が、時間がかかるのですね。コンクリートの灰色から白くなると一気に引き締まりますし、ぐんと明るくなりました。
細かく見ると、上手くいかないところもあり、凄腕左官職人に相談にいきました。基本的な事からいろいろ教わり次につなげられます。
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外に使われている杉の板にはオイルステン、キシラデコール、柿渋などを使っています。特に素足で出ると気持ちの良いテラスには柿渋を塗りました。素足で触れるところにはキシラデコールのような毒性の高いものではなく匂いは独特ですが柿渋のような自然素材にこだわりました。内部のフローリングにも石油系ワックスではなく植物系天然オイルを使いました。この工事は雨が多くなかなか予定通りいかなかったのですが、4月30日から10月5日までの5ヶ月で完成。杉板、漆喰、コンクリート、柿渋など天然の素材が本来もっている力を最大限引き出す事を心掛けてきました。





